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# 私の名盤(9): 未完成
 

大作曲家シューベルト(Franz Schubert, 1797-1828年)が1月31日ウィーンに誕生。歌曲王として広く知られますが、交響曲、室内楽、ピアノ曲集でも傑作を残しています。

院長コメント: 映画「未完成交響楽」(墺1933年)はシューベルトの交響曲「未完成」をモチーフにして制作された作品。貧しい作曲家シューベルトは上流階級のサロンでピアノ演奏を行ったのを契機に貴族の娘の家庭教師となり、恋に落ちますがやがて破局へ。結婚式でシューベルトはピアノ曲を演奏し、未完成の曲の譜面に「わが恋の成らざるが如く、この曲もまた未完成なり」と記しました。ベルギー生まれの名指揮者クリュイタンス(Andre Cluytens, 1905-67年)指揮ベルリン・フィルによる貴重な演奏が遺されています(英EMI, 1960年録音)。当時のベルリン・フィルは、まだフルトヴェングラー時代のしなやかな表現力と圧倒的存在感を有し、その香り立つような美しい響きがこのディスク最大の魅力。
# 私の名盤(8): おやすみ(Gute Nacht)
 

よそ者としてやって来て、よそ者のまま去って行く。五月は僕に好意を寄せて 数々の花束を贈ってくれた---君が見ている夢を妨げるつもりはない、君の眠りを乱そうとは思わない、足音が気に聞こえないように そっと、そっと扉を閉めて! 通りがかりに門に書く、君に「おやすみ」と---「冬の旅」から第1曲「おやすみ」。

院長コメント: ドイツの抒情派詩人ミュラー(Wilhelm Müller, 1794–1827年)によるシューベルト(Franz Schubert, 1797-1828年)の歌曲集「冬の旅」(Winterreise)は歌曲集「美しい水車屋の娘」の延長線上にある作品で、何れもミュラーの詩。フィッシャー=ディースカウのバリトンや、ホッターのバス・バリトンによる名唱が先ず頭に浮かぶ作品ですが、内容としては水車屋の娘同様、テノールに歌って欲しい曲集。スイスの名テナー/ヘフリガー(Ernst Haefliger, 1919-2007年)晩年の録音が残されています(スイスClaves, 1980年録音)。既に還暦を過ぎていたヘフリガーですが、その清潔で若々しい美声は見事。

# 辻音楽師(Die Leiermann)


村のはずれに オルガン弾きが立っている、こわばった指で 力の限り廻している。 氷った地面は、はだしのまま よろめきやまぬ。 そして小皿は いつまでたっても空なのだ---シューベルト「冬の旅」より第24曲「辻音楽師」。

院長コメント: 印象派の先駆的存在エドゥアール・マネ(Édouard Manet, 1832-83年)が1月23日パリに誕生。クールベと並び、西洋近代絵画史の冒頭を飾る画家の一人。「辻音楽師」はマネ初期の代表作(1862年頃、米ワシントン・ナショナル・ギャラリー蔵)。
# 待ちぼうけ
 

待ちぼうけ、待ちぼうけ ある日せっせと野良稼ぎ そこに兔が飛んで出て ころりころげた 木の根っこ

待ちぼうけ、待ちぼうけ しめたこれから寝て待とうか 待てば獲物が驅けてくる 兔ぶつかれ、木の根っこ

院長コメント: 北原白秋(1885-1942年)が1月25日福岡県柳川市に誕生。「待ちぼうけ」は、北原白秋作詞、山田耕筰作曲の童謡。1923年(大正12年)に、満州唱歌の一曲として発表。歌詞は、中国法家の思想書「韓非子」の中にある説話「守株待兔」(しゅしゅたいと)からとられたもの。守株という成句は、本来は、古い習慣に確執し、全く進歩がないこと、また、臨機応変の能力がないことの意味。写真は白秋祭と川下り風景。
# 私の名盤(7): ピアノ協奏曲第25番
 

1月27日は、モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756-91年)が墺ザルツブルクに誕生した日(生誕254年)。また、イエスの次にモーツァルトを尊敬したウィーンの名ピアニスト/グルダ(Friedrich Gulda, 1930-2000年)10回目の追悼の日。

院長コメント: モーツァルトのピアノ協奏曲の中で人気を誇るのは第20番、第21番、第23番、第26番、そして第27番あたりでしょうか。第25番ハ長調K.503は、あの傑作交響曲第38番「プラハ」K.504のひとつ前の作品番号。グルダ自身は、アバド指揮ウィーン・フィルとのコンビでは第20番/第21番を高く評価していますが、第25番はモーツァルトらしからぬ気宇壮大な第1楽章、チャーミングな第3楽章と高水準。グルダとしては今ひとつノリが悪いのかもしれませんが、充分に楽しめる仕上がり(独グラモフォン、1975年録音)。


 

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