2009-06-30 : 00:30 : ueta-fukuda
# 金子光晴追悼

二人がのんだコーヒー茶碗が 小さな卓のうへにのせきれない。 友と、僕とは その卓にむかひあふ。 友も、僕も、しゃべらない 人生について 詩について、 もうさんざん話したあとだ。 しゃべることのつきせぬたのしさ。 夕だろうと夜更けだろうと 僕らは、一向かまはない。 友は壁の絵ビラをながめ 僕は旅のおもひにふける。 人が幸福とよべる時間は こんなかんばしい空虚のことだ。 コーヒーが肌から、シャツに 黄いろくしみでるという友は 「もう一杯づつ 熱いのをください」と こっちをみている娘さんに 二本の指を立ててみせた (金子光晴「人生の悲劇」から「二人がのんだコーヒー茶碗が」)。
院長コメント: 6月30日は異端派詩人・金子光晴(1895-1975年)の忌日。「女たちへのエレジー」や「愛情69」などの詩集の中にきらりと光る秀作があります。女性が何時もからむ金子ですが、本日は色気抜きで。
2009-06-29 : 00:10 : ueta-fukuda
# 時間医学

東京女子医大研究グループの報告---研究グループは、地域に直接出向いての地域に見合った医学(フィールド医学)の研究に取り組み、その活動を通じて得られた睡眠障害と生活習慣病の関連性について報告。北海道U町における24-79歳の住民217人に対し、睡眠と血圧日内変動との関連性について5年間追跡調査。睡眠時間が長過ぎる住民では(1)起床後の疲労感が大きい(2)朝の収縮期家庭血圧が有意に高い(3)夜間の血圧下降度が10%未満。同様に住民184人を対象に睡眠と疾病の発症リスクについて検討。睡眠不十分群は、睡眠良好群に比し疾病発症(心血管イベント+癌)の相対リスクが3.2倍、発癌の相対リスクが4.7倍。
院長コメント: 脳・臓器・血管など、体内に時計のような機能を有する時計細胞・時計遺伝子・時計蛋白などがあり、光・音・気温・芳香・社会・ストレスに応答しながら、心拍・血圧・心拍数など24時間の生体リズムを守っているとするのが時間医学の概念。研究者らは、生体リズムを守るための養生訓として、(1)朝の時間帯に光を浴びる (2)朝食の時刻を一定にする (3)適切な睡眠時間の確保と起床時間を一定 (4)朝の美味しい緑茶・コーヒー・グレープフルーツなどの摂取や散歩など適度な交感神経の緊張 (5)退職後も何らかの社会的な接触を維持 (6)時々時計で時刻を確認等々---規則正しい生活の有用性が実証されたようです。
2009-06-28 : 00:29 : ueta-fukuda
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チェコの名指揮者ク―ベリック(Rafael Kubelik、1914-96年)が6月29日プラハ近郊に誕生。1950年代から60年代初めにかけて、ク―ベリックは名門ウィーン・フィルとのコンビで英Decca、英EMIに多くの録音を残しましたが、その後は世界9つの一流オケを指揮して完成させたベートーヴェン交響曲全集で、ウィーン・フィルとの交響曲7番があるのみ(独グラモフォン、1971-75年録音)。
院長コメント: 1971年8月13日、ザルツブルク祝祭大劇場におけるク―ベリック指揮ウィーン・フィルによる貴重なステレオ・ライヴ録音が遺されています。曲目は、モーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」とベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」(ORFEO)。「ジュピター」はウィーン・フィルのエレガントな音色が聴かれる美演。「エロイカ」も名高いベルリン・フィルとの録音(独グラモフォン、1971年録音)を上回る風格と評されています。
2009-06-27 : 00:10 : ueta-fukuda
# お手軽ダイエット

納豆、寒天、リンゴ、バナナなどによるダイエットに根拠なしと専門家からのお手軽風潮戒め報告。納豆、寒天、リンゴ、バナナ、ゆで卵など、手を替え品を替え、登場する何々ダイエット。ごく最近はバナナ・ダイエットがブームとなり、一時店頭からバナナが消える騒ぎに。基本は、何かを食べて瘠せるということはありえないし空腹を紛らすだけ。バナナ・ダイエットのうたい文句は、「朝、バナナを1-2本食べ、コップ1杯の水を飲むだけで瘠せられる」。T教授(栄養学)は「バナナを食べて瘠せたというのは、今まで食べていた朝食よりカロリーが減ったためと推察。バナナ・ダイエットは、要するにバナナを食べて、空腹を紛らすというだけのこと」と話し、特定の食品を食べて瘠せられると思うのは幻想と苦言を呈しています。
院長コメント: 栄養学の識者は、個人の体験談や一専門家の見解は、科学的な確かさのレベルは非常に低い場合が多いので、消費者側の冷静な判断が必要なことを指摘。また、他の識者は健康情報が過剰なため、単純で分かりやすい情報に飛びつく側面があると分析した上で、そもそもダイエットはそんなに簡単に成功するものではないと付言。軽薄短小な世情の反映か。
2009-06-26 : 00:30 : ueta-fukuda
# 長寿世界一日本

世界保健機関(WHO)は5月21日、2009年版「世界保健統計」を発表。2007年の平均寿命が世界で1番長いのは日本の83歳で、前年に引き続き首位の座を維持。男女別では、日本の女性の平均寿命が86歳で世界一。男性ではイタリア中部にある内陸国サンマリノの81歳が世界一で、日本はスウェーデンなどとともに、80歳のアイスランドに続き3位の79歳。世界全体の平均寿命は71歳で、最も平均寿命が短かったのは西アフリカ・シエラレオネの41歳。長寿国としてはスイス・伊・豪州などが82歳で日本に続いています。同統計によると、世界全体で2005年の妊産婦の死亡率は10万人当たり約400人、年間約536,000人が妊娠・出産に絡んで死亡。国連のミレニアム開発目標では、妊産婦の死亡率を2015年までに1990年の水準の4分の1まで削減するとしていましたが、1990年以降は改善傾向なし。
院長コメント: 高齢化社会を象徴する長寿国日本。飽食バブルの時代から、健康志向・節約志向の時代へ。しかし、日本が世界に誇れるものが長寿だけということにならないように。ちなみに2008年10月1日現在、75歳以上の後期高齢者は前年比52万人増の1,322万人で、総人口に占める割合は10.4%。後期高齢者の割合が10%を超えたのは初めて。写真は文化勲章を受章した荷風。
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