2007-10-31 : 00:01 : ueta-fukuda

レンブラントと並び17世紀のオランダ美術を代表する画家とされるヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer, 1632-1675年)が10月31日、オランダ西部の町デルフトで生まれています。静謐で写実的な迫真性のある画面は、綿密な空間構成と巧みな光と質感の表現に支えられています。現存する作品点数は30数点と少ない方に属しますが、今でも世界中で根強いファンが多い芸術家の一人といえます。
副院長コメント: カメラ・オブスクラ(camera obscura)という素描を描くために使われた光学装置があります。写真技術発明にあたり重要な役割を果たした装置で、写真撮影用機械を「カメラ」と呼ぶのはここに由来します。フェルメールはどうもこの装置を用いて創作していたようです。人の目が対象を見る時と同じで、全体に焦点があるのではなく、一点に焦点があり周辺はぼやけています。このことでより緻密で大胆な画が出来上がります。とにかく凄く上手くて、気持ちのいい絵と評する人もいます。写真は代表作の一つ「画家のアトリエ」(1666年?、ウィーン美術史美術館蔵)、「兵士と笑う女」(1658年、NYフリック・コレクション蔵)。それぞれ2回、ウィーンとNYで実物を鑑賞する機会がありました。フリック・コレクションには全部で3点フェルメールの画があり、門外不出ということでNYまで出掛けないと見れないようです。
2007-10-30 : 00:01 : ueta-fukuda

有楽町ではなくて“憂楽帳~メタボの憂うつ”と銘打った10月11日毎日新聞記事---メタボリック症候群(内臓脂肪型肥満)に突き進む、銀行勤務の友人(44)。目下の悩みは「スーツが苦しい」程度だが「これからは、のんきな気分ではいられない」と表情を曇らせる。政府は2008年4月から「特定健診・保健指導」を始め、企業の健保組合には40歳以上の社員への健康診断を義務付ける。これまでの社内健診と違うのは、社員の腹回りを測ってメタボ予備軍を見つけ出し、ダイエットを指導するよう求められる点。企業に糖尿病を予防させ、医療費を減らそうというのがお上の狙いだ。アメとムチも用意された。2013年度以降、メタボ予備軍を大幅に減らした健保には高齢者医療費の負担金を値引きする。一方で、成績の芳しくない健保は、制裁として追加負担金を徴収される。ならば企業は肥満者の採用を避け、太っていることが人事上不利となり、差別を受けるのでは--友人は、そう危惧している。「その心労から体調を崩してやせたら、シャレにならんよ」減量のため、3年続いた禁煙を解いたという。
副院長コメント: 国民健康増進策の弊害が出てきた笑えない記事です。程度問題ですが、太目が好みの人もいれば痩せが好きな人もいます。平均化・画一化した体型では人生の面白みも半減。また検査数値に神経質になるのは精神衛生上望ましくありません。もう少し大らな方が長生きできそうです。写真は「悪の華」の詩人ボードレールが爽やかな肉の枕と評した豊満な裸体表現で知られるバロックを代表する画家ルーベンス(Peter Paul Rubens, 1577-1640年)画「エレーヌ・フールマンの肖像」(1630年)。
2007-10-29 : 00:01 : ueta-fukuda
# 天才の秘密

ピカソ(Pablo Picasso, 1881-1973年)が10月25日マラガに誕生。晩年のピカソは1950年代に過去の巨匠の作品をアレンジして新たな作品を描くという仕事を始めています。1955年にはクルーゾー(Henri-George Clouzout)監督の映画「ミステリアス・ピカソ/天才の秘密」の撮影に協力。ピカソの最晩年の作風は、彼がそれまで経てきたスタイルの混合で、最後のエネルギーを制作に注入し、より大胆に、カラフルで激しい絵を描いています。
副院長コメント: 「ミステリアス・ピカソ/天才の秘密」(1956年フランス映画)はピカソ74歳の時に、ピカソのアトリエで撮影されたものですが、ピカソのエネルギーの一端が感じられる面白い作品に仕上がっています---もし詩を書くランボーの頭の中をのぞけたら、作曲中のモーツァルトの頭の中をのぞけたら、もしそれが出来れば芸術家の挑む危険なメカニズムがわかる。詩や音楽では不可能だが絵画ならわかる。画家の筆の動きを追えば創作過程がわかるからだ---というイントロで映画は始まります。
2007-10-28 : 00:01 : ueta-fukuda
# 酒臭さと癌

飲酒の翌日まで酒臭さが残りやすい人は、食道癌や咽頭癌に関係するとされるアルコール分解物のアセトアルデヒドが唾液中に生じやすいことが、国立病院機構久里浜アルコール症センターの調査で判明。世界保健機関(WHO)は、動物実験などからアセトアルデヒドを発癌物質と位置付けています。研究者らは飲酒前後の歯磨きやうがいなど、口の中をよく洗うことが、癌予防につながるのではないかと指摘。研究者らは、前日まで飲酒していたアルコール依存症の男性80人を対象に、血中と唾液中のアセトアルデヒド濃度を測定。併せてアルコール分解酵素(ADH-1B)の働きを調査。酵素の働きが正常な55人と働きが弱い25人の濃度を比較すると、弱い群ではアセトアルデヒド濃度が正常者を大幅に上回りました。ADH-1Bの働きが弱い人は、口中にもアルコールが長く残り酒臭さが持続。その間、細菌の働きで口中にアセトアルデヒドが作られ続けると考えられています。日本人の約7%はADH-1Bの働きが弱いとのことです。
副院長コメント: アルコール分解酵素の働きが正常でも、ある程度の年齢になると代謝が悪くなり、翌日まで残ることがあります。この点についてはあくまでも個人差があり、日々経験の中で各人が調整していくほかないようです。写真はゴッホ画 "Still Life with Absinthe"「アブサンのある静物」(1887年)。
2007-10-27 : 00:01 : ueta-fukuda

“ヴァイオリンの鬼神”と呼ばれたパガニーニ(Nicolo Paganini, 1782-1840年)が10月27日イタリアに誕生。その卓越したヴァイオリン演奏でヨーロッパを征服したパガニーニの人気は大変なもので、ハンカチやネクタイなどのパガニーニ・グッズ、菓子やパンなどにも彼の名前がつけられ飛ぶように売れたとのこと。当時の音楽家で彼の演奏を聴いて影響を受けなかった者は一人もいないと言われています。パリでパガニーニを聴いたリストは、その目の覚めるような技巧に刺激され、ピアノでパガニーニのような名人になることを決意したそうです。
副院長コメント: ラフマニノフ作曲「パガニーニの主題による狂詩曲」でパガニーニの名前を知りました。パガニーニ29歳の時の作品、「ヴァイオリン協奏曲第1番」は自分の技巧の冴えを十二分に発揮するために作曲されたもので、華やかな名人芸が随所に展開されます。豊麗にして甘美な音色と大きなフレージングで歌い抜いた極めつけの名演が“今様パガニーニ”と謳われたジーノ・フランチェスカッティにより残されています(オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団/CBSソニー/1950年録音)。尚、フランチェスカッティはパガニーニの曾孫弟子にあたります。
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